CKDプロジェクトについて
CKDプロジェクトでは、医(医師)、食(管理栄養士)、農(研究者)の分野が連携してCKD患者にアプローチし、新たな食事療法の開発を目指します。
当研究室では、医・食・農のチームに分かれ、プロジェクトの総括をするとともに各分野と連携しながら研究を進めます。
チームの構成
医チーム
食チーム
農チーム
私たちは、CKD患者様が治療に取り組みやすくなったり、病気の進行を遅らせるための様々な取り組みを行います。プロジェクトの最終的な目標は、「CKD患者様の生活の質(QOL)の向上」です。単に、病気を改善するだけではなく、食事を楽しむ環境づくりを中心に、生活の質(QOL)の向上を目指し、活動していきます。
以下に、各チームごとの取り組み内容について詳しく説明しています。
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各チームの活動内容にジャンプします。
医チーム
私たちは、近畿大学医学部奈良病院と連携して研究を行っています。
☆具体的な活動内容
・CKD患者様の食事療法に低リン米を導入
CKD患者様の食事には様々な制限があります。私たちはその中でも「リン」に注目しました。現在の食事療法では、透析期に入ってからリンを制限していますが、より早い段階からの制限が重要であるという根拠が蓄積しつつあります。そこで、CKD患者様の食事に「低リン米」を取り入れることで、病態の進行にどのような影響を及ぼすのか検証します。
・分かりやすい媒体の作成
私たちは患者様が自分の病気や食事療法について知ることは重要なことであると考えました。特に、CKD患者様の食事療法は、タンパク質や塩分、ミネラルなど様々な制限があり、自分の力で食生活をコントロールすることは難しく、継続しにくいのが現状です。そこで、私たちはより分かりやすい作成することで、CKD 患者様の食事療法の継続支援を行います。
農チーム
私たちは近畿大学農学部農業生産科学科の植物・人間関係学研究室と連携して研究を行っています。
☆具体的な活動内容
・CKD患者様の食事療法に活用できる高機能食材の開発
CKD患者様には摂取する事に対して注意しなくてはいけない栄養素があります。その栄養素の中で「リン」と「カリウム」に注目しました。日本人はリンを穀類から最も多く摂取していることや、カリウムは生野菜に多く含まれていることに着目し、日本人の主食であるお米からリンだけを減らした「低リン米」、カリウムだけを減らした「低カリウム野菜」の開発を目指しています。
・血液中のリンを急激に上げにくくするための食品成分の探索
CKD患者さんがリンを過剰に摂取してしまうことも問題ですが、急激にリンを摂取してしまうことも病気を悪化させてしまう可能性があります。そこで血液中のリンを急激に上昇させない食品成分として食物繊維に注目し、動物を用いて検討を開始しています。
・注目食材「ハナスベリヒユ」!!
CKDの病態改善に効果が期待される成分を含むだけでなく、食卓の彩りを豊かにする食べられる花「エディブルフラワー」としても活用できないかと考え、現在その成分分析とCKDモデル動物を用いた検討さらにはハナスベリヒユを用いた献立作成を行っています。